講座の内容・ねらい

企業のメンタルヘルス対策を推進する上で、社内の相談窓口設置は安心して働くことができる職場環境の土台として大切です。一方、従業員にとっては、相談に至るまでのハードルが高く、社内ゆえの守秘への不安や抵抗感から躊躇される声もよく耳にしてきました。
また、日本ではカウンセリングを受けること自体に「心折れた人、病気の人が行く」というイメージや「悩みは自分で解決すべき」という文化的背景もあり、総じてネガティブな感覚が拭えません。せっかく相談室を設置しても思うように来談数が伸びないという面は、その運営にあたって共通の課題ではないでしょうか。
SCGカウンセリングセンターでは、設立以来、この課題に向き合いつつ種々の取り組みを進める過程で自主来談数が年々増加、2021年度も前年を上回り、2200を超えました。
産業カウンセリングがもっと身近で、気軽な存在になれば、不調になる手前での予防利用に繋がる、個人のみならず組織にとっても救いになると信じて実践を重ねた17年間。私共の道のりが、産業カウンセリングに携わる皆様に少しでもご参考になれば幸いです。