広報部
~『怒る上司のトリセツ』著者/宮本剛志さん インタビュー(連載第1回)~
2019年2月に当協会支部のシニア産業カウンセラー宮本剛志さんが本を出版しました。そのタイトルは『怒る上司のトリセツ』(時事通信社)。
カウンセラーとして、研修講師として、働く人のメンタルヘルス支援に関わる宮本さんが考えるカウンセリングにおけるアンガーマネジメントの活用とは。
ご自身の経験を交えた怒りとの向き合い方や書籍出版に対する思いについても、お話を伺いました。全6回の連載でお届けいたします。
■自分が変わる転機となった
「産業カウンセラー」「アンガーマネジメント」との出会い
きっかけは会社員時代、社内の各事業所の社員にクレーム対応やお客様の話の聴き方を教える立場だったので、傾聴をしっかり学ぼうと思い、産業カウンセラーの勉強をするようになりました。
産業カウンセラー養成講座に通学中は、カウンセラーを目指すというより、自分自身を変えていきたいという気持ちが強かったですね。そしてこれが自分自身を振り返る良い機会になり、学んだことを組織や家庭の中で生かせるようになりました。
カウンセラーの知識は企業の中でとても役に立ちます。困っている人の相談を受ける時や、社内の相談を受ける時にも生かせます。
私が企業の相談室の仕事をしていた時は、部下との関係、各事業所の社員への対応や、社内の複雑な人間関係や理不尽な話に関わることも多く、ストレスが強くイライラしやすかったと思います。
ある方から「宮本さんは、最近、怒っている話が多いですね」と言われ、そうかもしれないと思いました。
カウンセリングを勉強するようになって自分の感情を理解できるようにはなっていましたが、改めて他者から言われてみると、「最近は常にイライラしているなぁ」という気持ちもあったため、その方の言葉をきっかけに「アンガーマネジメント」の勉強を始めたのです。
会社員時代は上役に対して生意気な態度を取ったり、経営陣に不満をぶつけたりしたこともありましたが、その時は間違ったことを言っているつもりは全くありませんでした。
しかし、何となく関係がギスギスするし、自分でも「怒ることが多くなってきたな」ということを感じていました。感情のコントロールができないと成果も出しづらく、周りにも迷惑を掛けることがあると感じていました。
【プロフィール】
宮本 剛志(みやもと・つよし)
一般社団法人日本産業カウンセラー協会シニア産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士(国家資格)、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会アンガーマネジメントトレーニングプロフェッショナル™、株式会社メンタル・リンク代表取締役
教育サービス企業で管理職として、相談・研修・危機管理・コンプライアンスなどを担当。現在は当協会にて産業カウンセラー養成講座協会認定実技指導者・相談室カウンセラー・登録講師、企業・学校にて、研修講師・コンサルタント・カウンセラーとして活躍している。
(取材・文 / 岡澤健治)