こころのレシピ
東京支部では、日常生活や仕事の中のストレスや苦難を乗り越えるための知識や工夫を産業カウンセラーの立場からお答えし、ブログで紹介することで、少しでも皆さんのお役に立てればと考えます。
第17回は、シニア産業カウンセラー、公認心理師として相談業務、研修講師等に従事する松崎優佳さんの登場です。ぜひご一読いただければと思います。
※相談内容・相談者は、実際に寄せられている内容を加工・編集しており、実際の相談内容をそのまま掲載したものではございません。
【ご相談:Nさん・女性・20代】
インテリア業界に正社員で入社し現在3年目です。 |
(松崎)
ご相談を拝見いたしました。
Nさんはいまの会社に入社されて3年、頻繁な仕事環境の変化をなんとか乗りこえ、お気持ちを立て直しながら、頑張ってこられたのですね。
これまで精一杯お仕事をし、奮闘してこられたNさんにとって、同じ職場で仕事の手を抜いたり無責任とも思える先輩の態度にイライラを感じてしまうのは無理もないことだと思いました。
最近Nさんが、駅の階段から落ちたら楽になるのではないかと考えたり、帰宅後も仕事のことが頭から離れない、睡眠に影響が出ている様子を伺い、心配に思いました。
高い緊張状態が心身に与える影響について
Nさんの状況を教えていただき、辛いお気持ちとともに、いま高い緊張状態にいらっしゃるように伝わってきました。お仕事の責任を果たそうと努力し、周囲の役に立とうと頑張ってきたNさんの姿勢は、強みであり、持ち味だと感じます。一方で、環境変化に懸命に対処しようとすれば、ストレス負荷がかかり、心身が頑張ろうとして緊張状態が続いてしまうのは自然なことのようにも思います。
緊張状態は、一時的に仕事の集中力やパフォーマンスを高めてくれる、自分を奮い立たせてくれる一方で、長く状態が続けば、からだに不調が出たり、こころが不安定になったりと心身に不調を及ぼすこともあるといわれています。
相談は、職場にとって大切な情報共有の機会
現在の職場環境がNさんのストレス要因となっている様子からも早めの環境調整が必要とも思います。Nさんが上司を尊敬されているとの言葉から、一定の信頼関係が築けておられる様子や、周囲がNさんに休息を促されているとのことから、比較的具体的なサポートを得やすい環境下におられるようにも想像します。上司にNさんが慣れた環境でお仕事をしたいことやいまのお気持ち、心身の状態などをご相談されることも必要なように感じられますがいかがでしょうか。
上司は部下が安心・安全に働けるよう配慮することも業務の一つですので、Nさんが困っておられることや健康状態は大切な情報共有となります。Nさんから上司へ正確な情報が届けられることで、上司もより具体的で的確なサポートについて検討・判断ができるようになるかと思います。
緊張をゆるめてあげるセルフケア
また、気軽に緊張をゆるめるセルフケアとして、<リラクセーション>もおすすめです。以下のサイトでは、さまざまな方法を紹介しております。
上司や周囲の信頼できる方にお気持ちを話したり、環境調整を行ったり、休養を確保することによって少しずつ心に余裕が出てくるかと思います。余裕が持ててくると、これまで以上にNさんの本来のお力、自分らしさがお仕事でもプライベートでも発揮できるようにもなるのではないでしょうか。
心身の不調が続く場合には
周囲の相談やセルフケアなどを取り組んでみても、不安や睡眠などの不調が続く場合には、早めに専門家へ相談することも大切です。もし職場に産業医がいるならその方に、社内での健康相談が難しい場合は心療内科やメンタルクリニックなどの医療機関にご相談をされることも検討なさってください。
ご自身を労わってあげることは、結果的にご自身にも周囲にも恩恵が多いと考えられます。
身近なサポートを活用しながら、ストレスを緩和されていけるとよいですね。
松崎優佳(まつざき・ゆか) シニア産業カウンセラー・公認心理師・キャリアコンサルタント。電話・対面・メール・SNS相談や企業・団体等での研修講師を通じて、働く人やその家族を中心にメンタルヘルスサポートを行っています。 |
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