講座の内容・ねらい

精神疾患により加療されている人が年々増加している。スティグマ（偏見）のために受診を控えている人やそれと気づかず未受診の人も多く、職域では周囲の人のメンタルヘルスも問題になっている。産業メンタルヘルス領域の代表的疾患はうつ病であるが、カウンセラーに求められる課題が拡大するスピードは速く、うつについて知っているだけでは現場のニーズに応えられなくなってきている。特に最近では、“発達障害”を背景とする対人関係やコミュニケーションロスなどへの課題解決を求められることも増えている。しかし実際には発達のような出生前からの課題については、エビデンスが乏しく、正しい情報を学べる機会も少ない。発達障害を医学的に正しく適切に理解しているカウンセラーが少ないことも、課題解決を遅らせる一因となっている。当日は心の病の早期発見・早期治療の重要性や、カウンセラーとしての気づきのコツについて検討したい。

＜参考＞水野雅文先生のインタビュー記事もご覧ください。
　【若い人たちの心の病気について、大人たちが学ぶべきこと】
　　・連載1「若い人たちの精神疾患の現状と、親として、大人としての課題」
　　・連載2「産業カウンセラーとしての知識や対応について」